10月下旬、朝6時半の競合料金チェックを終えると、次の作業が待っている——来期の年間予算策定だ。支配人でもCFOでも、「さあ、ゼロから来年の収支計画を組もう」という瞬間のプレッシャーは変わらない。何をどの順番で積み上げるのか。どこを押さえれば予算と実績の乖離が最小化するのか。
よく混同されるのが、損益分岐点分析や開業時の融資向け事業計画書との違いだ。損益分岐点は「現状の採算性を事後的に検証する」ツールであり、融資用事業計画書は「投資家や金融機関を説得するための未来絵図」だ。年間予算はそのどちらでもない——経営サイクルの起点であり、12ヶ月間の意思決定の拠り所となる羅針盤だ。
この記事では、毎年10〜12月に直面する「来期収支計画をゼロから組む」実務を7手順で解説する。客室28〜120室規模のホテル・旅館を主な対象とし、PMS(プロパティ管理システム)のBI機能とExcelを併用した実践的なアプローチを紹介する。
なぜ年間予算が「経営サイクルの起点」なのか
数字で見ると、予算策定をしているホテルとそうでないホテルでは、RevPARの年間ブレが平均15〜20%異なる。予算なき経営では、「なんとなくOCCが低い」「ADRを上げていいか判断できない」という状況に陥りやすい。月次で予実比較できる構造があれば、4週間以内に軌道修正の意思決定が取れる。
年間予算の役割を整理しておこう。
- 目標設定機能:RevPAR・GOP・人件費率の年間目標を数値で定める
- 資源配分機能:人件費・設備投資・販促費の優先順位を決める
- 業績評価機能:月次の予実差異を見て施策の効果を判断する
- 資金繰り管理機能:12ヶ月の現金フローを先読みして資金ショートを防ぐ
Step 1:前年実績データの棚卸し(基準線の確定)
予算策定の第一歩は、前年12ヶ月の実績データを月別・部門別に整理することだ。PMSから抽出する主要指標は以下のとおりだ。
抽出すべき実績データ
| 指標 | 説明 | 抽出元 |
|---|---|---|
| 月別OCC(稼働率) | 販売客室数 ÷ 販売可能客室数 | PMS |
| 月別ADR(平均客室単価) | 客室売上 ÷ 販売客室数 | PMS |
| 月別RevPAR | OCC × ADR | PMS |
| チャネル別予約比率 | OTA/直販/法人の割合 | PMS |
| 人件費率 | 人件費 ÷ 総売上 | 給与ソフト/会計 |
| 光熱費 | 電気・ガス・水道の月次実績 | 請求書/会計 |
| OTA手数料額 | OTA経由売上 × 手数料率 | OTA精算明細 |
| F&B売上(食事) | 朝食・夕食・宴会の部門別売上 | PMS/レジ |
| GOP(粗利益) | 総売上 - 直接運営費 | 管理会計 |
実績として、支援先の42室ビジネスホテルでこの棚卸しを初めて実施した際、「毎月のOTAチャネル別手数料を正確に把握していなかった」という事実が浮かび上がった。年間で計算すると約380万円のOTA手数料が発生していたが、P/L上は「販促費」として一括処理されており、チャネルごとのROIが見えていなかった。予算策定の前提として、まずこの「見えないコスト」を可視化することが重要だ。
また、前年データだけでなく、2〜3年分のトレンドを確認することで、季節性パターン・長期的なADR傾向・稼働率の構造変化を把握できる。1年分だけ見ると、コロナ回復特需や特別イベントによる一時的な高値を「通常」と誤認するリスクがある。
PMSにレポート機能がない場合は、OTA別の精算明細書・Excelのチャネルマネージャーデータ・手書きの宿泊台帳から集計することになる。このデータ収集に丸1日かかるようであれば、来年こそPMSのBI機能導入を予算に織り込む価値がある。
Step 2:市場環境・コンプセット分析(外部環境の把握)
ホテルの競合分析は、予算策定において不可欠な外部環境把握のプロセスだ。自施設の数字だけを見て予算を組むと、市場全体が15%上昇しているのに自施設の目標を+5%に設定するという「低すぎる目標」の罠にはまる。逆に、市場が停滞しているのに強気の予算を組んでビジネスを崩すリスクもある。
コンプセット比較で確認すること
- RGI(Revenue Generation Index):自施設RevPAR ÷ コンプセット平均RevPAR。100以上なら市場平均を上回っている
- MPI(Market Penetration Index):自施設OCC ÷ コンプセット平均OCC
- ARI(Average Rate Index):自施設ADR ÷ コンプセット平均ADR
- Price Index:自施設のADRポジション。90以下なら値上げ余地あり、115以上なら稼働リスクあり
STRレポートやOTA Insight・tripla Analyticsを活用するほか、OTAの検索結果で「同じ日・同じ検索条件で表示される施設」をコンプセットとして定義することが、最も直接的な競合分析になる。コンプセットは「ライバルだと思う施設」ではなく、「同じ顧客を奪い合っている施設」を選ぶのが原則だ。
また、外部環境として以下も予算計画に織り込む必要がある。
- 地域の大型イベント・公共工事・施設開業のスケジュール(需要増の機会)
- 新規競合ホテルの開業予定(稼働率・ADRへの下押し圧力)
- インバウンド需要の見通し(円相場・ビザ政策の変更)
- 地域経済の動向(主要企業の異動・工場稼働・大型プロジェクト)
- 最低賃金・エネルギー価格の改定スケジュール(コスト上昇圧力)
Step 3:売上予算の積み上げ(OCC×ADR×日数)
売上予算の基本構造はシンプルだ。
売上予算の計算式
月間客室売上 = 客室数 × 稼働率(OCC)× ADR × 営業日数
RevPAR = OCC × ADR
年間客室売上 = Σ(月別客室売上)
この計算を機械的に行うと「前年比+5%」という丸い数字になりがちだ。実務では、OCCとADRを分けて設定することが重要だ。OCCとADRは独立した変数ではなく、価格弾力性で連動している——ADRを上げれば需要が冷えてOCCが落ちるリスクがあり、ADRを下げれば稼働率は上がるが単価が落ちる。この二つのバランスを月別・曜日別に最適化するのがRevPARを最大化するコツだ。
売上予算の設定ステップ
- 月別稼働率の目標設定:前年実績に季節性・外部環境を加味して個別設定する(前年比均一は禁物)
- 曜日別ADRテーブルの設計:平日・週末・祝日・繁忙期で料金帯を分ける(平日一律料金は機会損失)
- 客室タイプ別の売上予算:シングル/ダブル/ツイン等、タイプ別に予算を設定すると精度が上がる
- F&B・付帯収益の予算:朝食・夕食・宴会・売店・温泉入浴料等を客室売上とは別途積み上げる
数字で見ると、42室ビジネスホテルの場合、シングル30室・ツイン12室の料金設定を曜日別に分けただけで、翌期の予実乖離が大幅に縮小した。「平均ADR7,000円・年間稼働率72%」という丸い数字ではなく、「火〜木はADR6,500円・OCC78%」「金〜日はADR8,500円・OCC88%」という粒度で計画を組むことで、月次のどのセグメントで予算を下回っているかが即座に特定できるようになった。
売上予算シミュレーション例(42室ビジネスホテル)
| 月 | OCC目標 | ADR目標 | RevPAR | 月間客室売上 |
|---|---|---|---|---|
| 1月(閑散) | 65% | 7,200円 | 4,680円 | 約590万円 |
| 2月(閑散) | 68% | 7,500円 | 5,100円 | 約600万円 |
| 3月(繁忙) | 82% | 8,500円 | 6,970円 | 約910万円 |
| 4月(標準) | 75% | 8,000円 | 6,000円 | 約760万円 |
| 7月(繁忙) | 88% | 9,200円 | 8,096円 | 約1,050万円 |
| 8月(繁忙) | 90% | 9,500円 | 8,550円 | 約1,110万円 |
| 12月(標準) | 72% | 7,800円 | 5,616円 | 約730万円 |
| 年間合計 | 76% | 7,820円 | 5,943円 | 約8,940万円 |
Step 4:部門別コスト計画(人件費・光熱費・OTA手数料)
コスト計画は「売上の○%」という比率目標と「固定費・変動費の区分」の両方で管理する必要がある。コストの構造が理解できていないと、稼働率が下がったときに削減できるコストと削減できないコストの区別ができなくなる。
主要コスト項目と業態別目安(対総売上比)
| コスト項目 | ビジネスホテル | 温泉旅館 | シティホテル | 性質 |
|---|---|---|---|---|
| 人件費(含む社会保険) | 28〜35% | 35〜45% | 30〜40% | 固定+変動 |
| 食材費(F&B) | 3〜8% | 12〜20% | 8〜15% | 変動 |
| リネン・消耗品 | 3〜5% | 2〜4% | 3〜5% | 変動 |
| 光熱費 | 4〜7% | 6〜10% | 5〜8% | 固定+変動 |
| OTA手数料 | 8〜15% | 8〜14% | 8〜13% | 変動 |
| 修繕・保守 | 1〜3% | 1〜3% | 1〜3% | 固定 |
| その他(保険・ライセンス等) | 2〜4% | 2〜4% | 2〜4% | 固定 |
人件費計画のポイント
人件費は最大のコスト項目であり、予算上のブレも最も大きくなりやすい。以下の粒度で計画を立てることが重要だ。
- 部門別・ポジション別の員数計画:フロント・客室清掃・F&B・バックオフィスを別々に積み上げる
- 繁閑別シフト計画:繁忙期の増員(派遣・パート)コストを事前に予算化する
- 賃上げ計画:最低賃金改定・ベースアップの影響を前年比で試算する(2026年は地域別最低賃金が平均+5%超の見通し)
- 採用コスト:離職率を前年実績から推計し、求人媒体費・研修費を予算に含める
OTA手数料の予算化
OTA手数料は「売上の何%」ではなく、チャネル別に個別計算することを強く推奨する。楽天トラベル(手数料約10%)・じゃらん(8〜10%)・Booking.com(12〜15%)・Expedia(15〜20%)では手数料率が大きく異なるため、チャネルミックスが変わると実際の手数料額が予想外に変動する。
OTA手数料の計算式
楽天手数料 = 楽天経由売上 × 10%
Booking.com手数料 = Booking.com経由売上 × 13%(例)
総OTA手数料 = Σ(各OTA経由売上 × 各手数料率)
年間予算にOTA手数料を計上する際は、来期のチャネルミックス目標(例:OTA比率75%→65%)を反映した試算値を使う。これにより、直販強化施策への投資(IBE導入・GBP最適化・SEO)のROI計算が同一の予算フレームで行えるようになる。
Step 5:GOP目標と利益計画の設定
売上予算とコスト計画が揃ったところで、GOP(Gross Operating Profit:粗営業利益)を計算する。
GOPの計算式
GOP = 総売上 − 直接運営費(人件費+食材費+リネン費+光熱費+OTA手数料+その他変動費)
GOP率 = GOP ÷ 総売上 × 100
業態別のGOP率の目安は以下のとおりだ。
- フルサービスホテル(温泉旅館含む):25〜40%
- セレクトサービス(ビジネスホテル):40〜55%
- エコノミー・カプセルホテル:45〜60%
損益分岐点の分析と組み合わせると、「GOP目標を達成するための最低必要稼働率」が明確になる。GOP目標が決まれば、そこから逆算して「このADRで何%の稼働率が必要か」という思考ができるようになる。これが予算を「数字で経営する」の本質だ。
GOP目標設定の3ステップ
- ローン返済・投資計画から必要GOP額を逆算:「年間ローン返済額+設備更新費」をGOPでカバーできる計画にする。返済前のGOP目標を先に設定することで、売上・コストの目標が逆算できる
- 業態別GOP率ベンチマークとの比較:前年より改善する場合は改善施策とセットで計画する(改善施策なきGOP率改善目標は絵に描いた餅になる)
- シナリオ別GOP試算:楽観(RevPAR+10%)・中立(RevPAR予算どおり)・悲観(RevPAR▲10%)の3シナリオでGOPを試算し、最悪ケースでも資金繰りが維持できるか確認する
Step 6:チャネルミックス計画とOTA依存度の管理
チャネルミックス計画は、単なる「どのOTAを使うか」の決定ではない。OTA依存度を下げて直販比率を高めることで、手数料コストを削減しながら、OTAのアルゴリズム変更リスクを低減する——これは年間予算の中でも特にROIインパクトが大きい意思決定だ。
チャネルシフトの年間予算への影響試算
チャネルシフト効果の計算例
年間客室売上1億円・OTA比率80%→70%に改善した場合:
削減OTA手数料 = 1,000万円(シフト分)× 平均手数料12% = 年間120万円削減
直販強化の施策コスト(GBP最適化・SEO・IBE)≒ 年間30万円
純削減効果 = 年間約90万円
この計算を年間予算に織り込む際は、チャネル別の予約件数×ADRを月別に設定し、チャネルシフトが起きる時期(施策実施後3〜6ヶ月)を考慮した段階的な計画にする。「4月から直販を強化して8月には直販比率25%」という具体的なマイルストーンを予算に落とし込むことが重要だ。
ホテルの法人営業による直販強化は、OTA依存度を下げる最も効果的な施策の一つだ。法人コーポレートレートはOTA手数料ゼロで、かつリピート率が60〜80%と高い。年間予算に法人比率の目標(例:現状15%→来期25%)を設定し、法人営業活動の予算(営業人件費・DM費・接待費)を合わせて計上することで、投資対効果を同一フレームで評価できる。
Step 7:月次KPIダッシュボードと予実管理の仕組み
年間予算を作って終わりではない。月次で予実を比較し、4週間以内に修正アクションを取れる仕組みを構築することが、予算策定の最後のステップだ。まずダッシュボードを開いて数字を見る——この習慣が定着すれば、予算は「引き出しに眠る計画書」ではなく「毎日使う経営ツール」に変わる。
月次モニタリングKPI
| KPI | 目標値(例) | 警戒ライン | 修正アクション |
|---|---|---|---|
| RevPAR | 月次予算比100% | 95%以下 | ADR見直し・OTAプロモーション投入 |
| OCC | 月次予算比±3pt | ▲5pt以下 | 短期販促・法人アプローチ・DP引き下げ |
| ADR | 月次予算比100% | 97%以下 | 料金テーブル見直し・DP設定調整 |
| GOP率 | 予算比±1pt | ▲2pt以下 | コスト超過項目の特定と削減 |
| 人件費率 | 予算内 | +2pt以上 | シフト最適化・残業抑制・派遣比率調整 |
| OTA依存度 | 目標比率±5pt | +5pt以上悪化 | 直販強化施策を前倒し実施 |
予算管理ツールの選択
規模や体制によって適切なツールが異なる。
Excelテンプレート(客室30室以下・担当者1名)
- 月別売上・コスト・GOPの対比表を1枚で管理
- PMSからCSVエクスポートして手動貼り付け(月次2〜3時間)
- 初期コストゼロ、専門知識不要。中小旅館のスタートラインとして十分
PMSのBI・レポート機能(客室30〜80室)
- 自動でレポートが生成され、手入力ミスがなくなる
- 月次レビューが翌月5日には完了できる
- メトロエンジン・ねっぱん!等のDPツールと組み合わせると、予算vs実績の差異原因が料金設定か稼働率かを即座に特定できる
Looker Studio + BigQuery(客室80室以上・複数施設)
- 複数施設のKPIを一画面で比較できる
- カスタムダッシュボードで経営層向けの月次レポートを自動化
- 設計・導入に専門知識が必要だが、RevPARの予実管理精度は最高水準
月次予実レビューの標準フロー
- 翌月5〜7日:前月の売上・コスト・GOPの確定値を集計
- 翌月8〜10日:予実差異の原因分析(OCCかADRか、どのチャネルか、どのコスト項目か)
- 翌月10〜15日:修正アクションの立案と実行(料金テーブル調整・販促施策・コスト削減)
- 翌月末:修正アクションの効果確認と次月予算の微調整
施策効果は4週間で見切る——これが私の原則だ。3ヶ月様子を見てから判断するのでは、閑散期を無駄に消費してしまう。予算策定から月次レビューまでの一連のサイクルを4週間で回すことで、年間12回の改善機会を全部活かせる。
よくある失敗パターンと回避策
失敗①:前年比均一成長の罠
「前年比+5%」を全月・全部門に一律適用するのは最もよくある失敗だ。特定の月に競合施設が大規模リニューアルオープンする予定があれば、その月の目標は現実的に下方修正すべきだ。逆に、地域で大型イベントが計画されている月は強気の目標設定が可能だ。月別の特性を無視した均一成長目標は、予実乖離を不必要に大きくするだけでなく、スタッフのモチベーション管理にも悪影響を与える。
失敗②:コスト予算を「前年実績+インフレ率」で機械計算
食材費・光熱費・人件費は、市場環境によって前年比の変動幅が大きい。2026年は電気代の市場連動料金が続く見通しで、光熱費は施設によって前年比±10〜20%の幅が生じる可能性がある。省エネ施策(デマンドコントロール・LED化・高効率ボイラー導入)を予算年度に実施する計画があれば、その効果を「コスト削減項目」として別途試算して予算に折り込む。
失敗③:予算を「作るだけ」で月次レビューしない
年間予算の最大の価値は、月次の意思決定スピードを上げることだ。予算なき経営では「ADRを上げていいかどうか」の判断に2週間かかるが、予算があれば「今月のRevPARが予算比93%だからADRを500円下げて稼働率を取りに行く」という判断を即日できる。月次レビューの仕組みを持たない予算はただの計画書だ。
失敗④:チャネル別コストを把握しないまま売上だけ見る
「今月の売上は予算どおり達成」でも、OTA経由比率が予想以上に高く手数料が膨らんでいれば、GOPは予算を下回っている——これは実際によく起きるパターンだ。RevPARだけでなくNetRevPAR(OTA手数料控除後のRevPAR)を月次KPIに加えることで、チャネルミックスの変化をコスト面から把握できる。
まとめ:年間予算は「数字で経営する文化」の起点
年間予算策定の7手順を振り返る。
- 前年実績データの棚卸し:12ヶ月分のOCC・ADR・RevPAR・コストを月別に整理し基準線を確定する
- 市場環境・コンプセット分析:RGI・競合価格・需要トレンドで外部環境を把握する
- 売上予算の積み上げ:OCC×ADR×日数を月別・曜日別・客室タイプ別に設定する
- 部門別コスト計画:人件費・光熱費・OTA手数料を固定費・変動費に分けて計上する
- GOP目標の設定:ローン返済計画と業態ベンチマークから必要GOP額を逆算する
- チャネルミックス計画:OTA依存度の目標と直販強化施策の投資対効果を同一フレームで計画する
- 月次KPIダッシュボード構築:4週間サイクルで予実比較と修正アクションを回す仕組みを整える
「数字を見ずに語っていないか」——これは私が自分自身にも問いかけ続ける言葉だ。年間予算は、その問いに答えるための最も基本的な仕組みだ。毎月ダッシュボードを開いて、目標対比で今どこにいるかを把握し、4週間で打ち手を試す。このサイクルが回り始めると、ホテル経営の意思決定の質が明らかに変わる。
まず今年の実績データを開いて、来年の「第一回予算会議」のアジェンダを組んでみてほしい。それが年間予算策定の、最初の一歩だ。


