「フロント対応してたら清掃の無線が入って、客室に戻ったら今度は宴会場のヘルプを頼まれた」——こんな日が週3〜4回ある施設、実際に珍しくありません。
現場では「人手が足りないんだから仕方ない」で片付けられがちですが、複数業務の兼任(以下、兼務)は品質低下と離職加速の両方を引き起こす構造的な問題です。私自身、旅館のフロントスタッフとして2年、客室係として3年、DX推進部署への異動後は兼務の現場を何十施設も見てきました。「仕方ない」で放置できる話ではないと、肌で感じています。
この記事では、ホテル・旅館の現場で起きている兼務の実態を20のあるあるで整理し、後半でDXによる解決策を各あるあると対応づけて紹介します。「ワンオペ」とは異なる、複数業務を掛け持ちさせられる現代的な人手不足の問題として切り取っています。
なお、シフト管理そのものの課題については「ホテルのシフト管理あるある25選|現場の悩みをDXで解消する方法」で詳しく解説しているので、合わせてご覧ください。
フロント兼務編(あるある1〜5)
あるある1:チェックイン対応の途中で清掃進捗確認の無線が入る
ゲストと目を合わせてパスポートを確認している最中に、「301号室まだですか?」という清掃リーダーからの無線が鳴り響く。「少々お待ちください」と断ってから応答する間、ゲストの表情が固まるのが気まずい。
この問題の本質は、フロントと清掃が別の指揮系統で動いているにもかかわらず、連絡手段が無線一本しかないことです。清掃状況がリアルタイムで共有されていれば、フロントに問い合わせる必要がそもそもなくなります。
あるある2:フロント業務中に「ちょっとアメニティ補充してきて」を頼まれる
清掃スタッフが欠勤した日、「フロントが暇そうだから」という理由でアメニティ補充や廊下のリネン整理を任されます。フロントカウンターを離れている間にゲストが来て、誰もいない受付に立たせてしまう——こんな状況が繰り返されます。
現場では「一人でも動ける人が動けばいい」という空気が生まれやすいですが、これがフロントスタッフの「自分の仕事」への誇りとやる気を削る最初の一歩になります。
あるある3:チェックアウト精算対応と部屋割り変更を同時にこなす
チェックアウト時間が重なる10〜12時の繁忙帯は、精算処理・部屋割り変更・翌日予約確認・電話対応が同時並行で押し寄せます。フロント1名での対応が前提になっている施設では、精算を待たせたゲストから「まだですか?」と声をかけられながらPMSを操作する光景が日常です。
この時間帯にセルフチェックアウトが使えるだけで、精算対応の8割は自動化できます。フロントスタッフは「待たせてしまった」ストレスから解放され、本当に人の手が必要な対応に集中できます。
あるある4:フロントのシフトが終わったら「清掃手伝って」を毎回頼まれる
「今日も4時間残業か……」。フロントのシフトが終わる時間に清掃が残っていると、「ついでに手伝ってもらえれば」という言葉が飛んできます。断れない空気が形成されていて、これが積もると「この施設に未来を感じられない」という離職の引き金になります。
私が支援に入ったある旅館では、清掃管理アプリを導入して清掃タスクの進捗をリアルタイム可視化したところ、「フロントスタッフへのヘルプ依頼」が月22件→3件に激減しました。清掃が遅れている部屋を早期に把握して清掃担当に通知できるため、フロントを巻き込む前に対処できるようになったのです。
あるある5:接客トーンのまま清掃に入り、次の接客で疲弊しきっている
フロントの接客モード(笑顔・丁寧な言葉遣い・気配り)を維持しながら清掃をこなし、また接客に戻る——この切り替えが繰り返されると、脳の疲労は単純作業の倍近くになります。「どっちもそこそこしかできない」という感覚が積み重なり、両方の業務品質が落ちていきます。
清掃×その他業務兼務編(あるある6〜10)
あるある6:清掃中に電話対応で呼ばれ、作業の流れが完全に崩れる
清掃スタッフが入室して手順通りに進めていると、「フロントが忙しいから電話取ってもらえる?」と呼ばれます。ゴム手袋を外して受話器を持ち、内線・外線対応をしてから清掃に戻ると「あれ、ここまでやったっけ?」と手順を忘れてしまう。チェックリストがないと確認漏れが起きるリスクが高まります。
清掃品質を安定させるには、「清掃中は清掃に集中できる環境」を制度として設計することが必要です。電話対応は自動応答やAIチャットボットで吸収し、清掃スタッフの集中を守ることが品質維持の前提です。
あるある7:清掃担当なのに朝食ビュッフェのコーヒー補充も担当
朝の清掃準備が始まる7時台に、ダイニングスタッフが足りないという理由でコーヒーメーカーの補充や食器の搬出を兼任させられます。「30分で終わるから」のはずが、ゲストからの質問対応や機器トラブルで時間が延び、清掃の開始が遅れてチェックイン可能時間に影響が出ます。
あるある8:布団敷きとランドリーのタイマー管理を同時にこなす
旅館特有の布団敷きは、1部屋あたり10〜15分かかる技術業務です。その最中にランドリー室のタイマーが鳴ったら移動して洗濯物を切り替え、また戻って布団敷きを再開する——この中断が布団の向きや枕の配置ミスにつながります。「浴衣の帯の向きが逆だった」というクレームは、こうした兼務の中断から生まれることが多いのです。
私自身、旅館の客室係時代に外注清掃スタッフが旅館固有のプロトコルを知らないまま入室し、お客様から浴衣の帯の向きについてクレームを受けた経験があります。その後、清掃作業中の割り込みをなくす仕組みの重要性を痛感しました。兼務は品質事故の温床になり得るのです。
あるある9:清掃途中にチェックアウトしていない客と鉢合わせして動けなくなる
チェックアウト時刻を過ぎているはずの部屋に入ったら、まだゲストがいた——清掃スタッフにとって最も気まずい瞬間のひとつです。リアルタイムで客室在室状況が分かるシステムがあれば防げるトラブルですが、PMS連携なしの清掃管理では「前の情報しかない」状態が続きます。
あるある10:担当清掃が終わった瞬間に宴会場のセッティングを頼まれる
「終わったね、じゃあ宴会場の椅子並べ手伝って」。清掃完了の達成感が消え去る一言です。椅子並べ自体は難しくないとしても、清掃業務とは全く異なる体の使い方を求められます。腰や膝への負担が蓄積し、これが慢性的な体の痛みや怪我のリスクになります。私が支援した120室のリゾートホテルで搬送ロボットを導入した際も、「荷物を運ばなくていい」「腰が楽になった」という声が最初に上がりました。兼務の疲労は身体的な安全問題でもあります。
宴会×調理・厨房兼務編(あるある11〜14)
あるある11:宴会設営が終わらないうちに厨房から「食器洗い手伝って」が来る
宴会スタッフが大型宴会の前日設営をしている最中に、厨房で食器が追いつかなくなったという理由で呼び出されます。設営を途中で止めて厨房に向かうと、今度は宴会リーダーから「なんで戻ってこないの」という連絡が来る。どっちを優先するかの判断が現場任せになっていて、スタッフが板挟みになります。
私が支援先のシティホテル(客室80室・宴会場3室)で実感したことですが、宴会当日の「聞いていない」トラブルや部門間の連絡ミスは、ビジネスチャットによるリアルタイム情報共有だけで大幅に減らせます。「食器が足りない」「設営が遅延している」という情報が関係者全員に即時共有されれば、誰かを走らせる前に対策が打てます。
あるある12:バンケットスタッフが急遽厨房の仕込み補助を命じられる
「料理は作れないけど野菜の下処理くらいは」という話で厨房に入れられます。しかし厨房にはHACCP基準の衛生管理プロトコルがあり、バンケットスタッフが正しい手順を知らないまま従事すると食中毒リスクが生まれます。兼務が衛生事故につながる可能性を、経営者は認識していないケースが多いです。
あるある13:宴会撤収後に「厨房の片付けも手伝って」で終電ぎりぎり
100名規模の宴会を2時間で撤収し、翌朝の会議仕様に組み替えた後に「厨房がまだ残っているから」という理由で厨房の床掃除と食器の片付けを依頼される。終電の時間を気にしながら走り回った夜は一度や二度ではありません。私自身、旅館の客室係から宴会ヘルプに駆り出され、深夜撤収を経験した原体験がここにあります。「現場スタッフは設備の不備や業務の非効率さを毎日体感しているが、改善の意思決定権がない」——このジレンマが、宿泊業特有の離職原因のひとつです。
宴会スタッフ固有の課題については「ホテル宴会スタッフあるある25選|バンケット現場をDXで変える方法」で詳しく取り上げています。
あるある14:料理の基礎知識なしで急遽仕込み補助を命じられ、質問もできない
「分からなかったら聞いて」と言われても、何が分からないかすら分からない状態で仕込み補助に入ることがあります。包丁の持ち方や切り方のスピードが違いすぎて、むしろ板前さんの邪魔になっている——こんな状況は双方のストレスになります。専門業務に素人を投入する兼務は、仕事の質以前に「安全」の問題でもあります。
管理職の板挟み兼務編(あるある15〜17)
あるある15:フロントマネージャーなのに欠勤が出たら自分が清掃に入る
フロントマネージャーの本来業務は、シフト調整・ゲストクレーム対応・スタッフ育成・売上レポート確認などマネジメント業務です。しかし清掃スタッフが欠勤した日は、ブラシとモップを持って客室に入ることになります。管理職が現場業務に駆り出される日は、マネジメント業務が丸ごと後回しになります。
管理職が現場業務に引っ張られ続けると、マネジメント力が育たない施設構造が固定化します。特に中小旅館での二代目承継支援をする中で、「先代もそうだったから」という理由で管理職が現場作業をこなすことを当然視している施設をよく見ます。この構造を変えることが、施設の持続可能性に直結します。
あるある16:「今日は支配人不在だから判断はあなたに」と言われながら接客も担当
支配人代行の判断業務(大きなクレーム対応、予約の特別扱い承認、スタッフの急欠時の人員調整)をしながら、同時にフロントカウンターで接客も担当する。これはマルチタスクの限界を超えており、どちらかでミスが起きる可能性が高い状態です。「支配人不在時の代行フロー」をデジタル化して明文化するだけでも、判断の迷いと現場の混乱は大幅に減らせます。
あるある17:採用担当なのに繁忙期はフル接客で採用活動がゼロ
「今は繁忙期だから採用は落ち着いてから」が毎年繰り返されます。繁忙期が終わると今度は疲弊して採用に手が回らず、翌年の繁忙期に向けてまた人手不足になる悪循環。採用活動はATS(採用管理システム)に乗せて自動化できる部分が多く、繁忙期でも最低限の採用フローを継続できる仕組みを持つことが人材確保の鍵です。
品質劣化・燃え尽き編(あるある18〜20)
あるある18:どの業務も「そこそこ」にしかなれない中途半端感に悩む
フロントとして接客を極めたいのに、清掃や厨房の時間があってスキルを磨く余裕がない。清掃担当として効率的な清掃フローを確立したいのに、フロントヘルプが入るたびに中断される。「私は何の専門家なんだろう」という問いが頭を離れなくなるのが、兼務の最も深刻なダメージです。
これは個人の問題ではなく、組織設計の問題です。「誰でも何でもこなせる体制」は、短期的には穴を埋めますが、長期的にはスタッフのキャリア形成を阻害し、施設全体の専門性を低下させます。
あるある19:「専門性」を失っていく不安がモチベーション喪失につながる
「この仕事を続けていて将来どんなスキルが身につくのか」——この問いに答えられない施設は、優秀なスタッフから順番に離れていきます。実際に手を動かすと分かるのですが、スタッフが求めているのはお給料だけではなく「この仕事で成長できているという実感」です。兼務が続く環境では、この実感が得られません。
DXツールを導入するとき、私が必ず確認するのが「このツールを使うことで、スタッフの『得意な業務』に集中できる時間が増えるか」という視点です。省人化だけを目的にすると、兼務の問題は解決しません。
あるある20:引き継ぎが口頭だけで次のシフトが把握できず、ゲストが被害を受ける
兼務で走り回っていると、シフト交代時の申し送りが「ざっくり口頭だけ」になります。「○号室のお客様が○○を希望していた」「明日のチェックイン時間が変わった」といった情報が次の担当に伝わらず、ゲストに「さっきお願いしたのに」と言われる。これはゲスト満足度の問題であると同時に、兼務によって申し送りに割ける時間が物理的になくなっていることが原因です。
申し送りのデジタル化については「ホテルの申し送り・引き継ぎミスをDXで解消する実践ガイド」でPMSゲストメモ活用からビジネスチャット設計まで解説しています。
20のあるあるをDXで解消する4つのアプローチ
ここまで挙げた20のあるあるは、根性論では解決しません。大きく4つのDXアプローチで「兼務を強いられる構造」そのものを変えることができます。
解決策1:セルフチェックインでフロント業務の8割を自動化する
あるある1〜5のフロント兼務問題の根本は、「フロントに人がいないと機能が止まる」構造にあります。セルフチェックイン機を導入すると、チェックイン手続き・本人確認・鍵の受け渡し・精算の大部分がゲスト自身で完了できるようになります。フロントスタッフが清掃ヘルプを頼まれる時間帯(チェックイン・チェックアウト繁忙帯以外)は、機械がカバーしてくれます。
セルフチェックイン導入直後、深夜に到着した高齢夫婦が画面操作で詰まり、翌朝強いクレームになった経験が私にはあります。その後、深夜帯のみ「画面右下のボタンを押すと当直スタッフへ直通電話がかかる物理ボタン」を増設し、文字サイズを1.5倍に変更しました。同種のクレームは翌月以降ゼロになりました。「省人化」と「無人化」を混同せず、逃げ道としての人間の声を残すことが兼務解消DXの鉄則です。
セルフチェックイン選定の詳細は「セルフチェックインシステム選定・運用マニュアル|導入から定着まで」で機種別比較から導入手順まで解説しています。
解決策2:清掃タスク自動振り分けアプリで清掃×フロント兼務を断ち切る
あるある6〜10の清掃兼務問題は、「清掃の進捗がリアルタイムで把握されていないこと」が引き起こします。清掃管理アプリ(helloHereなど)とPMSを連携させると、チェックアウト検知→清掃タスク自動割当→フロントへのリアルタイム進捗共有が一気通貫で機能します。
私が支援した小規模温泉旅館でhelloHereを導入した際、フロントからの「あの部屋まだ?」という問い合わせ電話が1日20件以上から5件以下に激減しました。フロントスタッフが清掃状況を確認するために自分で走り回る必要がなくなり、清掃スタッフが電話対応に呼ばれることもなくなりました。兼務が発生していた構造的な理由が、アプリ導入で解消されたのです。
また、IoTドアセンサーとタスク自動割当アプリを組み合わせると、チェックアウト検知から清掃開始までの平均時間を22分→8分に短縮できます。清掃スタッフの待機ロスがなくなれば、他業務への兼務ヘルプに走る必要も自然と減っていきます。
解決策3:AIシフト管理で「人がいないから誰かに頼む」を事前に防ぐ
あるある11〜17の宴会・管理職兼務問題の多くは、人員配置の見通しが甘いことから発生します。「当日になって人が足りない」が分かるから、誰かに兼務を頼まざるを得ない。AIシフト管理ツールを予約データと連動させると、2週間先の予約状況から必要人員を自動算出し、不足が予測される日は事前にヘルプ要員の手配ができます。
補助金で言うと、AIシフト管理ツールの多くはIT導入補助金(デジタル化・AI導入補助金)の対象になります。2026年現在、補助上限450万円・補助率最大3/4に拡大されているため、複数ツールをまとめて導入する際の自己負担を大きく圧縮できます。gBizIDプライムの取得だけでも今すぐ動いておくことをおすすめします。
解決策4:デジタル申し送りで引き継ぎ漏れをゼロに近づける
あるある20の申し送りミスは、ビジネスチャット(LINE WORKS、Chatworkなど)と共有デジタル日報で大幅に改善できます。兼務で忙しい中でも、スマホから「301号室、明日のチェックイン時間変更有り」と入力するだけで、次のシフトの全員に届く仕組みにすれば、口頭での引き継ぎ漏れはほぼゼロになります。
より進んだ形としては、PMSのゲストメモ機能とビジネスチャットを連動させて、ゲスト情報の更新が自動でチャンネルに通知される設計もあります。「申し送りの時間がない」という兼務現場ほど、この仕組みの効果を体感できます。
兼務解消のDX導入ロードマップ
4つの解決策を一度に導入しようとすると、現場が混乱します。「DXツールを覚える研修」に追われて本来業務に支障が出た失敗を私自身も経験しています。以下の順序で段階的に進めることをおすすめします。
Phase 1(1〜2ヶ月):申し送りのデジタル化から始める
最もコストが低く、全スタッフへの影響が均等な施策です。ビジネスチャット導入→部門別チャンネル設計→申し送りフォーマット統一の順で進めます。スタッフにとって「使ってよかった」と実感できる最初の体験をこの段階で作ることが、次のステップへの信頼感につながります。
費用の目安は月額500〜3,000円/人(LINE WORKSフリープランなら0円から開始可能)。IT導入補助金の対象外のケースもあるため、自己負担での先行投資として位置づけてください。
Phase 2(2〜4ヶ月):清掃管理アプリとPMS連携でフロント×清掃の兼務を解消する
フロント兼務の最大の原因である「清掃進捗の見えなさ」をここで解決します。清掃管理アプリの導入→PMSとのチェックアウト連携→タスク自動割当の設定の順で進めます。PMS連携の設定に2〜4週間かかることが多いため、ベンダーとのスケジュール調整は早めに始めてください。
費用の目安は月額2〜5万円(施設規模による)。IT導入補助金の対象になるツールが多く、補助率最大3/4で実質負担を圧縮できます。
Phase 3(3〜6ヶ月):セルフチェックイン機でフロント業務の自動化を進める
Phase 1・2が定着したら、フロント業務の抜本的な自動化に移ります。セルフチェックイン機の選定→スマートロック連携→フロントシフトの再設計の順で進めます。フロントの夜勤体制が変わることで、シフト全体の再設計が必要になるため、勤怠管理システムの整備もこの段階でセットで行うと効率的です。
費用の目安は初期費用30〜100万円+月額2〜5万円。IT導入補助金の対象になるため、申請タイミングを逃さないよう、公募スケジュールを事前に確認しておきましょう。
Phase 4(6ヶ月〜):AIシフト管理で人員配置の最適化を完成させる
デジタル基盤が整ったら、予約データ連動のAIシフト管理を導入します。「繁忙日の事前予測→人員手配の前倒し→兼務ゼロの目標設定」という流れで運用します。このフェーズまで来ると、「当日になって人が足りない」という状況がほぼなくなり、スタッフが専門業務に集中できる環境が整います。
兼務を「仕方ない」で終わらせないために
現場では「人が少ないんだから兼務は仕方ない」という言葉をよく聞きます。確かに、今すぐ人を増やすことはできません。でも、「兼務を強いられる構造」は変えられます。
月5回以上ホテルに実際に泊まって運用を観察している立場から言うと、兼務が解消されている施設のスタッフは表情が違います。フロントスタッフは接客に集中できているから笑顔に余裕があり、清掃スタッフは仕事の完成度に誇りを持っている。こうした施設は口コミ評価も高く、スタッフの定着率も良い傾向があります。
兼務の解消は、スタッフのためだけでなく、ゲスト体験の品質向上と施設の収益改善に直結します。「どれか一つから始める」という姿勢で、まずPhase 1の申し送りデジタル化から動いてみてください。
人手不足の現場で働くスタッフ全般の悩みについては「ホテルの人手不足あるある25選|慢性的な人材不足をDXで乗り越える方法」も参考にしてください。



