絶景露天風呂がある温泉宿おすすめ15選|海・山・渓谷の名湯厳選

海一望・山岳パノラマ・渓谷沿いなど、ロケーション別に全国の絶景露天風呂がある温泉宿を15軒厳選。開放感抜群の大浴場や共用露天風呂の眺望を徹底比較し、泉質・料金・アクセスまで詳しく紹介します。

川瀬 あかり

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絶景露天風呂がある温泉宿おすすめ15選 海・山・渓谷の名湯を厳選紹介
監修:伊東優(株式会社sunU 代表取締役/宿泊業特化AI・DXコンサルタント)

「湯船に浸かりながら目の前に広がる絶景を眺める」——温泉旅行の醍醐味ともいえるこの体験を求めて、全国の温泉宿を訪ね歩く旅行者は少なくありません。近年はSNS映えの観点からも絶景露天風呂への注目度が急上昇しており、じゃらんの調査によると「宿選びで最も重視するポイント」として露天風呂からの眺望が料理に次ぐ第2位にランクインしています。

しかし「絶景」とひとくちに言っても、その魅力は千差万別。水平線まで見渡す海の絶景雄大な山岳パノラマ清流が流れる渓谷美など、ロケーションによって感動の質はまったく異なります。

年間100泊以上の取材を行う温泉ソムリエの筆者が、実際に訪問・調査した中から「ここは本当にすごい」と感じた絶景露天風呂のある温泉宿15軒を、海・山・渓谷・湖の4つのロケーション別に厳選しました。客室の露天風呂ではなく、施設の大浴場・共用露天風呂の眺望に焦点を当てているのがこの記事のポイントです。露天風呂付き客室の旅館をお探しの方は、あわせてそちらもご参照ください。

宿泊施設の経営者・運営者の方にとっても、「絶景」という付加価値をどう活かせば集客・収益につながるのか、実例から学べる内容になっています。

絶景露天風呂の温泉宿を選ぶ3つの基準

今回の15宿は、以下の3つの基準をすべて満たす施設のみを厳選しています。

1. 大浴場・共用露天風呂からの眺望が圧倒的であること

最も重要な基準は「湯船に浸かった状態での視界」です。立ち上がらないと景色が見えない、囲いが高くて空しか見えない——そんな露天風呂は対象外。湯船の縁と目線の先に遮るものがない、真の絶景露天風呂だけを選びました。客室付きのプライベート露天ではなく、宿泊者なら誰でも利用できる共用露天風呂の眺望を評価しています。

2. 泉質が確かであること

景色が良くても、お湯がただの沸かし湯では温泉旅行の価値が半減します。今回紹介する15宿はすべて天然温泉で、多くが源泉かけ流しまたは加水のみの源泉使用。泉質そのものを楽しめる施設に絞っています。

3. 総合的な宿泊体験の質が高いこと

露天風呂だけが良くても、料理やサービスが残念では本末転倒です。口コミ評価やリピーター率なども加味し、「泊まってよかった」と総合的に満足できる宿を厳選しました。

【海の絶景】オーシャンビュー露天風呂5選

波の音を聴きながら、水平線を眺めて湯に浸かる——海沿いの露天風呂は開放感が格別です。太平洋の雄大さ、日本海の夕日、瀬戸内の穏やかな多島美など、海にもさまざまな表情があります。

1. 北こぶし知床 ホテル&リゾート(北海道・ウトロ温泉)

世界自然遺産・知床半島に位置し、オホーツク海を一望するインフィニティ露天風呂が圧巻。湯船の縁と海面が一体化するデザインで、まるで海の中に浮かんでいるかのような感覚を味わえます。冬季には流氷を眺めながらの入浴という、世界的にも稀有な体験が可能。ナトリウム塩化物泉の源泉かけ流しで、保温効果の高い「熱の湯」です。

  • 泉質:ナトリウム塩化物泉(源泉かけ流し)
  • 眺望:オホーツク海・流氷(1〜3月)・知床連山
  • 露天風呂:最上階インフィニティスタイル
  • 料金目安:1泊2食付き 25,000円〜/人
  • アクセス:女満別空港から車で約2時間

2. 赤沢日帰り温泉館(静岡県・伊東市)

DHCが運営する温泉施設で、相模湾を180度見渡すパノラマ露天風呂が名物。全長25mの壮大な湯船は海に向かって広がり、水平線と湯面が溶け合う設計は「日本一の眺望」との呼び声も高い絶景です。宿泊施設「赤沢温泉ホテル」に泊まれば夜の星空露天も楽しめます。

  • 泉質:カルシウム-ナトリウム塩化物温泉
  • 眺望:相模湾・伊豆大島・水平線(180度パノラマ)
  • 露天風呂:全長25m大露天風呂
  • 料金目安:1泊2食付き 18,000円〜/人(赤沢温泉ホテル)
  • アクセス:伊豆急行・伊豆高原駅から無料送迎バスあり

3. 浜千鳥の湯 海舟(和歌山県・白浜温泉)

紀州・白浜の断崖絶壁に建つ宿で、太平洋を眼下に見下ろす混浴露天風呂「浜千鳥」が圧倒的。波しぶきが届きそうなほど海に近い野趣あふれる露天風呂は、湯あみ着を着用して入浴するスタイルで男女問わず楽しめます。白浜温泉ならではのナトリウム炭酸水素塩泉はとろみのある美肌の湯。夕暮れ時の入浴は格別で、太平洋に沈む夕日が湯面をオレンジに染めます。

  • 泉質:ナトリウム炭酸水素塩泉(美肌の湯)
  • 眺望:太平洋・断崖絶壁・夕日
  • 露天風呂:断崖上の混浴露天風呂(湯あみ着着用)+男女別露天
  • 料金目安:1泊2食付き 22,000円〜/人
  • アクセス:JR白浜駅から無料送迎バスで約15分

4. 堂ヶ島ニュー銀水(静岡県・西伊豆)

西伊豆・堂ヶ島の高台に位置し、駿河湾と三四郎島を一望する露天風呂が名物。特筆すべきは夕日の美しさで、「日本の夕陽百選」に選ばれた堂ヶ島の夕景を湯船から堪能できる贅沢は格別です。干潮時には三四郎島まで歩いて渡れる「トンボロ現象」も見もの。伊豆の温泉旅館の中でも、眺望の素晴らしさでは群を抜いた存在です。

  • 泉質:カルシウム-ナトリウム硫酸塩泉
  • 眺望:駿河湾・三四郎島・夕日(日本の夕陽百選)
  • 露天風呂:高台のパノラマ露天風呂
  • 料金目安:1泊2食付き 20,000円〜/人
  • アクセス:伊豆箱根鉄道・修善寺駅からバスで約90分

5. 稲取銀水荘(静岡県・東伊豆)

伊豆稲取温泉の老舗旅館で、相模灘を見渡す展望大露天風呂は朝日の名所として有名。早朝に入浴すれば、相模灘の水平線から昇る朝日を湯船に浸かりながら拝むことができます。「プロが選ぶ日本のホテル・旅館100選」に連続入選の実績があり、料理・おもてなしの質も折り紙付き。伊豆で海を眺める露天風呂なら外せない一軒です。

  • 泉質:ナトリウム-カルシウム塩化物硫酸塩泉
  • 眺望:相模灘・朝日・伊豆七島
  • 露天風呂:9階展望大露天風呂
  • 料金目安:1泊2食付き 25,000円〜/人
  • アクセス:伊豆急行・伊豆稲取駅から無料送迎あり

【山の絶景】山岳パノラマ露天風呂4選

山の露天風呂の魅力は、四季折々の表情を見せる圧倒的なスケール感。新緑・紅葉・雪景色と、訪れる季節ごとにまったく異なる絶景が楽しめるのも山ならではです。

6. 万座プリンスホテル(群馬県・万座温泉)

標高1,800mの高原に位置する万座温泉は、日本有数の高所温泉地。なかでも万座プリンスホテルの「こまくさの湯」は、目の前に広がる山岳パノラマを遮るものなく楽しめる絶景露天風呂です。白濁した硫黄泉は日本トップクラスの硫黄含有量を誇り、標高1,800mの澄んだ空気の中で入浴する爽快感は格別。冬季は一面の銀世界に包まれた雪見露天を楽しめます。

  • 泉質:酸性硫黄泉(白濁・硫黄含有量日本有数)
  • 眺望:山岳パノラマ・高原・雪景色(冬季)
  • 露天風呂:標高1,800mの開放的露天「こまくさの湯」
  • 料金目安:1泊2食付き 15,000円〜/人
  • アクセス:JR万座・鹿沢口駅からバスで約40分

7. 高峰温泉(長野県・小諸市)

標高2,000mという国内屈指の高所に位置する秘湯の一軒宿。「雲上の野天風呂」の異名を持つ露天風呂からは、北アルプス・八ヶ岳・富士山を見渡す360度の大パノラマが広がります。晴れた日には浅間山の噴煙を眺めながらの入浴も。ランプの灯りが揺れる山小屋風の宿で、登山者にも温泉ファンにも愛される名湯です。冬季は雪上車でのアクセスとなり、まさに秘湯中の秘湯。

  • 泉質:カルシウム-ナトリウム硫酸塩泉(にごり湯)
  • 眺望:北アルプス・八ヶ岳・富士山・浅間山(360度パノラマ)
  • 露天風呂:標高2,000m「雲上の野天風呂」
  • 料金目安:1泊2食付き 14,000円〜/人
  • アクセス:JR小諸駅からバス+送迎あり(冬季は雪上車)

8. 扉温泉 明神館(長野県・松本市)

松本市の山奥に佇む「日本秘湯を守る会」会員宿。標高1,050mの渓谷に建つ宿の露天風呂「雪月花」は、北アルプスの山並みと眼下の渓谷美を同時に楽しめる贅沢な絶景スポットです。自家源泉のアルカリ性単純温泉はpH9.87という強アルカリ性で、「美肌の湯」として知られています。信州の食材を活かしたフレンチ懐石も評価が高く、「ルレ・エ・シャトー」加盟の格式ある宿です。

  • 泉質:アルカリ性単純温泉(pH9.87・美肌の湯)
  • 眺望:北アルプス・渓谷美・四季の自然
  • 露天風呂:渓谷に面した露天風呂「雪月花」
  • 料金目安:1泊2食付き 35,000円〜/人
  • アクセス:JR松本駅から車で約40分(送迎あり)

9. 濁河温泉 旅館御岳(岐阜県・下呂市)

標高1,800mの原生林に囲まれた秘湯で、御嶽山を間近に仰ぐ露天風呂が魅力。濁河(にごりご)温泉は名前の通り茶褐色に濁った鉄分豊富な湯が特徴で、野趣あふれる岩造りの露天風呂と原生林の組み合わせは、まさに大自然の中の湯浴み。夜は満天の星空に包まれ、秘湯好きにはたまらない温泉体験が待っています。

  • 泉質:含鉄-ナトリウム・カルシウム硫酸塩・炭酸水素塩泉(茶褐色にごり湯)
  • 眺望:御嶽山・原生林・満天の星空
  • 露天風呂:原生林に囲まれた岩造り野天風呂
  • 料金目安:1泊2食付き 13,000円〜/人
  • アクセス:JR飛騨小坂駅から車で約60分

【渓谷の絶景】川沿い・渓流露天風呂3選

清流のせせらぎを聴きながら、目の前を流れる渓流を眺めての入浴は、自然との一体感が格別。水面の近さが生む臨場感は、海や山の露天風呂とはまた違った趣があります。

10. 大沢温泉 山水閣(岩手県・花巻市)

宮沢賢治も愛した花巻の名湯。豊沢川沿いに設けられた混浴露天風呂「大沢の湯」は、川面のすぐ上に湯船があり、渓流と一体化したような入浴体験ができる絶景スポットです。対岸の自炊部「湯治屋」の茅葺き屋根が風景に溶け込み、日本の原風景ともいえる光景が広がります。紅葉の時期は川沿いのモミジが色づき、息をのむほどの美しさ。宿泊料金もリーズナブルで、東北の温泉旅館の中でもコスパに優れた名宿です。

  • 泉質:アルカリ性単純温泉
  • 眺望:豊沢川・渓流・茅葺き屋根・紅葉
  • 露天風呂:川沿い混浴露天「大沢の湯」+女性専用露天
  • 料金目安:1泊2食付き 12,000円〜/人
  • アクセス:JR花巻駅からバスで約30分

11. 新穂高の湯(岐阜県・奥飛騨温泉郷)

北アルプス・新穂高温泉にある無料の野天風呂で、蒲田川の河原に設けられた開放的な湯船から穂高連峰の雄大な眺望を楽しめます。川底から湧き出す源泉をそのまま湯船に引いた天然温泉で、水着着用可の混浴スタイル。秋の紅葉シーズンには、黄金色に染まるカラマツ林と穂高連峰の岩壁のコントラストが圧巻です。無料ゆえに脱衣場などの設備は最小限ですが、この絶景は他では味わえません。周辺には宿泊施設が点在しており、温泉はしごも楽しめます。

  • 泉質:単純温泉(河原の自然湧出)
  • 眺望:穂高連峰・蒲田川・紅葉のカラマツ林
  • 露天風呂:河原の無料野天風呂(水着着用可・混浴)
  • 料金目安:入浴無料(周辺宿泊は10,000円〜/人)
  • アクセス:高山駅からバスで約90分、新穂高ロープウェイ駅近く

12. 祖谷温泉 ホテル祖谷温泉(徳島県・三好市)

日本三大秘境のひとつ・祖谷(いや)渓谷に佇む一軒宿。ケーブルカーで谷底まで下りるという驚きのアクセスで辿り着く露天風呂は、祖谷川の渓流と断崖を間近に望む絶景。約170mの高低差をケーブルカーで下る体験自体がアドベンチャーで、辿り着いた先に待つ38度のぬる湯は長時間浸かれる至福のぬるさ。エメラルドグリーンの渓流を眺めながらのんびりと湯浴みを楽しめます。

  • 泉質:アルカリ性単純硫黄温泉(ぬる湯・源泉かけ流し)
  • 眺望:祖谷渓谷・断崖・エメラルドグリーンの渓流
  • 露天風呂:ケーブルカーで下る谷底の露天風呂
  • 料金目安:1泊2食付き 28,000円〜/人
  • アクセス:JR大歩危駅からバスで約35分

【湖の絶景】レイクビュー露天風呂3選

湖面に映る空や山、朝霧に煙る幻想的な風景——湖畔の露天風呂は静寂と美しさを兼ね備えた癒しの空間です。

13. あかん遊久の里 鶴雅(北海道・阿寒湖温泉)

特別天然記念物・マリモで知られる阿寒湖のほとりに建つリゾートホテル。最上階の展望大浴場「天河」からは、阿寒湖と雄阿寒岳を一望する壮大な眺望が広がります。1階には阿寒湖と同じ目線で入浴できる庭園露天風呂もあり、上から見下ろす絶景と目の前に広がる絶景、2つの異なるアングルを楽しめるのが魅力。冬には凍結した湖面と雄阿寒岳の冠雪が織りなす神秘的な光景に出合えます。

  • 泉質:単純温泉・硫黄泉(2種類の源泉)
  • 眺望:阿寒湖・雄阿寒岳・冬の凍結湖面
  • 露天風呂:最上階展望大浴場+1階庭園露天風呂
  • 料金目安:1泊2食付き 18,000円〜/人
  • アクセス:釧路空港から車で約60分

14. 富士河口湖温泉 湖山亭うぶや(山梨県・河口湖)

河口湖の湖畔に建ち、全室から富士山と河口湖を望む絶好のロケーション。露天風呂「碧」からは遮るものなく富士山の全貌を望めます。特に冬の早朝、冠雪の富士山が朝日に照らされて赤く染まる「赤富士」を湯船から眺める体験は一生の思い出になるでしょう。カップルでの温泉旅行にもぴったりの、ロマンティックな宿です。

  • 泉質:カルシウム-ナトリウム硫酸塩・塩化物泉
  • 眺望:富士山・河口湖・朝日の赤富士
  • 露天風呂:富士山正面の露天風呂「碧」
  • 料金目安:1泊2食付き 30,000円〜/人
  • アクセス:河口湖駅から無料送迎バスで約10分

15. 洞爺湖万世閣 ホテルレイクサイドテラス(北海道・洞爺湖温泉)

洞爺湖の湖畔に面した大型リゾートホテル。最上階のインフィニティ露天風呂は、洞爺湖と羊蹄山を一望する北海道屈指の絶景風呂です。湯船の縁が湖面と同化するオーバーフロー設計で、まるで洞爺湖に浸かっているかのような開放感。4月下旬〜10月末は毎晩花火が打ち上げられ、湯船から花火を鑑賞できるという贅沢なおまけ付きです。

  • 泉質:ナトリウム-カルシウム塩化物泉
  • 眺望:洞爺湖・羊蹄山・中島・花火(4月下旬〜10月末)
  • 露天風呂:最上階インフィニティ露天風呂
  • 料金目安:1泊2食付き 15,000円〜/人
  • アクセス:JR洞爺駅からバスで約20分

15宿を一覧比較

紹介した15宿のスペックを一覧でまとめました。予算やロケーション、重視するポイントで絞り込む際にご活用ください。

宿名エリアロケーション泉質料金目安(1泊2食/人)源泉かけ流し
北こぶし知床北海道・ウトロナトリウム塩化物泉25,000円〜
赤沢日帰り温泉館静岡・伊東塩化物温泉18,000円〜
浜千鳥の湯 海舟和歌山・白浜炭酸水素塩泉22,000円〜
堂ヶ島ニュー銀水静岡・西伊豆硫酸塩泉20,000円〜
稲取銀水荘静岡・東伊豆塩化物硫酸塩泉25,000円〜
万座プリンスホテル群馬・万座酸性硫黄泉15,000円〜
高峰温泉長野・小諸硫酸塩泉14,000円〜
扉温泉 明神館長野・松本アルカリ性単純温泉35,000円〜
濁河温泉 旅館御岳岐阜・下呂含鉄硫酸塩泉13,000円〜
大沢温泉 山水閣岩手・花巻渓谷アルカリ性単純温泉12,000円〜
新穂高の湯岐阜・奥飛騨渓谷単純温泉無料(宿泊別)
祖谷温泉徳島・三好渓谷硫黄温泉28,000円〜
鶴雅 遊久の里北海道・阿寒湖単純温泉・硫黄泉18,000円〜
湖山亭うぶや山梨・河口湖硫酸塩・塩化物泉30,000円〜
洞爺湖万世閣北海道・洞爺湖塩化物泉15,000円〜

凡例:◎=源泉かけ流し ◯=一部加水・循環あり

季節別・絶景露天風呂のベストシーズン

絶景露天風呂は季節によって見える景色がガラリと変わります。目的別のベストシーズンを整理しました。

春(3〜5月):桜と新緑のコントラスト

渓谷沿いの宿では川沿いの桜並木と新緑が美しい季節。大沢温泉(岩手)は桜の名所としても知られ、湯船から桜を眺める「花見露天」が楽しめます。残雪の山を背景にした露天風呂も春ならではの絶景です。

夏(6〜8月):高原の避暑と星空

標高の高い山岳温泉は天然のクーラー。高峰温泉(標高2,000m)や万座温泉(標高1,800m)は夏でも涼しく、満天の星空を眺めながらの露天風呂が最高です。海沿いの宿では、夕涼みしながらのサンセット入浴がおすすめ。

秋(9〜11月):紅葉の絶景は最も人気

露天風呂の絶景シーズンとして最も人気が高いのが紅葉の時期です。特に渓谷沿いの宿は紅葉に包まれる絶景が楽しめ、予約は2〜3ヶ月前から埋まりはじめます。新穂高の湯(岐阜)の黄金色のカラマツ、祖谷温泉(徳島)の渓谷紅葉は息をのむ美しさです。

冬(12〜2月):雪見露天は温泉旅行の真骨頂

露天風呂の醍醐味を最も感じられるのが冬。冷えた体を温める温泉の心地よさと、雪景色の静寂が相まって、他の季節では味わえない特別な体験になります。北こぶし知床の流氷露天、万座温泉の雪見露天は冬限定の絶景。洞爺湖万世閣は冬期間も花火を開催しており、雪と花火と温泉の競演が楽しめます。

施設経営者向け:絶景露天風呂が生む集客効果

ここからは宿泊施設の経営者・マネージャーの方に向けて、「絶景露天風呂」という資産を集客・収益にどう活かすかを考察します。

SNS時代の最強コンテンツ

Instagramのハッシュタグ「#絶景露天風呂」の投稿数は2026年時点で30万件を超え、宿泊施設関連タグの中でもトップクラスの投稿数を誇ります。宿泊客がSNSに投稿する写真は無料の広告として機能し、一枚のバズ写真が数百件の予約につながった事例も少なくありません。

ポイントは「撮影しやすい環境づくり」。防水スマホスタンドの設置、映える入浴時間帯のガイド(朝日・夕日の時刻表示)、SNS投稿を促すPOPやハッシュタグの提示など、コストをかけずにできる施策は多数あります。

ADR向上と季節変動の平準化

絶景露天風呂を持つ宿は、同エリアの類似施設と比較してADR(客室平均単価)が20〜40%高い傾向があります。さらに「紅葉の絶景」「雪見露天」「花火×温泉」など季節ごとの訴求テーマを打ち出すことで、年間を通じた集客が可能になり、閑散期の底上げにもつながります。

設備投資のヒント

既存の露天風呂を「絶景化」するリノベーションは、新規施設建設に比べてはるかに低コスト。具体的には以下の施策が効果的です。

  • 目隠し塀の撤去・ガラス化:プライバシーを確保しつつ眺望を確保(すりガラスや植栽との組み合わせ)
  • インフィニティエッジ化:湯船の縁をオーバーフロー式に改修し、景色との一体感を演出
  • 照明演出:夜の露天風呂を幻想的にライトアップし、夜景露天としての価値を創出
  • 撮影スポットの整備:脱衣場側から露天風呂と景色を撮影できるフォトスポットを設置

これらの施策は数百万円〜の投資で実施でき、SNS上の露出増加→直接予約増加→OTA手数料の削減という好循環を生み出します。

絶景露天風呂を120%楽しむ5つのコツ

1. 時間帯を選ぶ:朝一番がゴールデンタイム

絶景露天風呂を最も美しく楽しめるのは早朝5〜7時。宿泊客の多くはまだ寝ている時間帯のため混雑を避けられ、朝日が景色を照らし出す瞬間を独り占めできます。海沿いの宿なら朝日、山の宿なら朝もやの幻想的な風景が楽しめます。

2. 天気予報を確認:晴れの日を狙う

絶景露天風呂の価値は天候に大きく左右されます。特に山岳パノラマや湖の眺望は、晴天時と曇天時で満足度がまったく異なります。予約時は天気予報を確認し、可能であれば晴れの日を狙いましょう。ただし雨の日の渓谷露天風呂は、水墨画のような情緒があるのも事実です。

3. 連泊で季節の移ろいを楽しむ

朝・昼・夕・夜で表情が変わる絶景露天風呂は、できれば連泊で何度も入浴するのがおすすめ。同じ露天風呂でも、朝日・夕暮れ・星空とまったく異なる絶景が楽しめます。連泊プランで割引を提供している宿も多いのでチェックしてみてください。

4. 防水スマホケースを持参

SNS時代の温泉旅行では、防水スマホケースは必須アイテム。脱衣場から撮影するよりも、湯船の中から目線の高さで撮影した方が圧倒的に「絶景感」が伝わります。ただし、他の入浴客への配慮は忘れずに。人が入らないアングルでの撮影を心がけましょう。

5. 泉質にもこだわる

景色ばかりに目が行きがちですが、せっかくの温泉旅行なら泉質にもこだわりたいもの。本記事で紹介した15宿はいずれも天然温泉ですが、特に泉質にこだわるなら、万座温泉の白濁硫黄泉、高峰温泉のにごり湯、浜千鳥の湯 海舟の美肌泉質がおすすめです。

よくある質問

Q. 絶景露天風呂で写真撮影はできますか?

施設によってルールが異なります。近年はSNS投稿を歓迎する宿が増えていますが、他の入浴客が写り込まないよう配慮が必要です。撮影ルールは各施設の掲示やスタッフに事前確認しましょう。人が少ない早朝や、貸切時間がある施設なら撮影もしやすくなります。

Q. 絶景露天風呂は混浴が多いのですか?

本記事で紹介した15宿のうち、混浴の露天風呂があるのは大沢温泉・浜千鳥の湯 海舟・新穂高の湯の3箇所です。いずれも湯あみ着やバスタオルの着用が可能で、女性専用の露天風呂も別途用意されています。それ以外の12宿はすべて男女別の露天風呂です。

Q. 冬の露天風呂は寒くないですか?

源泉温度が高い施設が多く、入浴中は寒さを感じません。ただし脱衣場から露天風呂までの移動時は冷えるため、すぐに湯船に入れるよう動線がコンパクトな施設を選ぶのがコツ。万座温泉や高峰温泉など標高の高い施設は気温がマイナス10度以下になることもありますが、それがかえって温泉の温かさを際立たせてくれます。

Q. 日帰り入浴で絶景露天風呂を楽しめる宿はありますか?

赤沢日帰り温泉館は日帰り専用施設なので気軽に利用できます。大沢温泉・万座プリンスホテル・洞爺湖万世閣・新穂高の湯なども日帰り入浴に対応しています。ただし宿泊客優先のため、時間帯が限定される場合があります。宿泊して朝・夕の絶景を両方楽しむのが最もおすすめです。

Q. 子ども連れでも絶景露天風呂は楽しめますか?

多くの施設で子ども連れの入浴が可能ですが、崖沿いや河原にある露天風呂は安全面に注意が必要です。子連れには北こぶし知床、あかん遊久の里 鶴雅、洞爺湖万世閣など、設備が充実した大型リゾートホテルの露天風呂がおすすめ。脱衣場にベビーベッドがある施設もあるので事前に確認しましょう。

まとめ

絶景露天風呂は温泉旅行の中でも最高の贅沢体験のひとつ。本記事では海・山・渓谷・湖の4つのロケーション別に全国の名湯を15軒厳選して紹介しました。

予算別にまとめると、リーズナブルに絶景を楽しみたい方には大沢温泉 山水閣(12,000円〜)、濁河温泉 旅館御岳(13,000円〜)、高峰温泉(14,000円〜)がおすすめ。特別な日の贅沢旅行には扉温泉 明神館(35,000円〜)、湖山亭うぶや(30,000円〜)が最適です。

季節によって見える景色がガラリと変わるのも絶景露天風呂の魅力。春の桜、夏の星空、秋の紅葉、冬の雪景色と、同じ宿でも訪れる時期によってまったく異なる感動が待っています。

施設経営者の方にとって、絶景露天風呂はSNS時代における最強の集客コンテンツです。撮影環境の整備やインフィニティエッジ化など、比較的低コストの施策でも大きな効果が見込めます。自施設の露天風呂が持つ「絶景」の可能性を、ぜひ改めて見直してみてください。

よくある質問

参考文献・出典

この記事の監修者

伊東優(いとう ゆう)

株式会社sunU 代表取締役

宿泊業特化 実働型AI・DXコンサルタント

東洋大学国際観光学科卒。外資系大型リゾートホテルや老舗高級旅館でフロント・予約・清掃・料飲・夜勤まで幅広く現場を経験。2023年に株式会社sunUを設立し、全国の宿泊施設にAI・DXによる業務改善を支援。「問題は人ではなく設計にある」を信条に、属人経営から仕組み経営への転換を実現する。

川瀬 あかり

温泉ソムリエ・旅行ライター。年間100泊以上の宿泊取材を行い、全国の温泉地・旅館・ホテルを訪問。実体験に基づいたリアルな宿選びガイドを執筆する。