日本三古湯の有馬温泉、太平洋を望む南紀白浜温泉、外湯めぐりで名高い城崎温泉——関西は個性豊かな名湯の宝庫です。大阪・京都・神戸といった都市部から2時間以内でアクセスできる温泉地が多く、週末旅行にもぴったりのエリアが揃っています。

年間100泊以上の取材を重ねる温泉ソムリエの私が、関西全域の温泉地を実際に訪問・宿泊し、泉質・料理・コストパフォーマンスを総合的に評価したうえでおすすめ旅館20軒を厳選しました。エリア別に分類し、泉質の特徴や予算の目安、宿の魅力まで詳しくお伝えします。

有馬温泉や城崎温泉の個別記事もあわせてご覧いただくと、各エリアをより深く比較できます。関西温泉旅の計画に、ぜひお役立てください。

関西温泉エリアの全体像と選び方

関西(近畿)地方には、環境省が指定する温泉地だけでも100か所以上が点在しています。泉質も多彩で、有馬の含鉄塩化物泉、白浜の炭酸水素塩泉、城崎のナトリウム・カルシウム塩化物泉、洞川のアルカリ性単純泉など、エリアごとにまったく異なる湯の個性を味わえるのが関西温泉の魅力です。

関西主要温泉エリア 比較表

温泉エリア所在地主な泉質大阪からの所要時間特徴
有馬温泉兵庫県神戸市含鉄塩化物泉(金泉)・炭酸泉(銀泉)約50分日本三古湯・三名泉。都市近接型
城崎温泉兵庫県豊岡市ナトリウム・カルシウム塩化物泉約2時間30分7つの外湯めぐり・冬のカニ
南紀白浜温泉和歌山県白浜町炭酸水素塩泉・塩化物泉約2時間日本三古湯。海辺のリゾート感
洞川温泉奈良県天川村アルカリ性単純泉約2時間修験道の里。秘湯の風情
十津川温泉奈良県十津川村ナトリウム炭酸水素塩泉約3時間30分源泉かけ流し宣言の村
天橋立・久美浜京都府宮津市ほかナトリウム塩化物泉約2時間日本三景×温泉の組み合わせ
おごと温泉滋賀県大津市アルカリ性単純泉約50分琵琶湖を望む美肌の湯

旅館選びの5つのポイント

  1. 泉質で選ぶ:保温効果の高い塩化物泉、美肌に嬉しい炭酸水素塩泉、肌にやさしい単純泉など、目的に合った泉質を確認
  2. アクセスで選ぶ:日帰りなら有馬・おごと温泉、1泊2日なら白浜・城崎、秘湯派なら洞川・十津川がおすすめ
  3. 料理で選ぶ:城崎の松葉ガニ、白浜のクエ、有馬の神戸牛など、ご当地食材も旅の大きな楽しみ
  4. 予算で選ぶ:1泊2食で1万円台〜5万円超まで幅広い。平日・直前予約で割安プランが出やすい
  5. 目的で選ぶカップル旅行なら露天風呂付き客室、ファミリーなら貸切風呂のある宿を

おすすめ旅館20選 比較一覧表

No.宿名温泉エリア泉質料金目安(1泊2食)おすすめポイント
1兵衛向陽閣有馬金泉22,000円〜創業700年・3大浴場
2中の坊 瑞苑有馬金泉・銀泉45,000円〜13歳以上限定の大人宿
3銀水荘 兆楽有馬金泉・銀泉28,000円〜自家両泉の贅沢
4古泉閣有馬金泉・銀泉18,000円〜6万坪の敷地・コスパ◎
5西村屋本館城崎塩化物泉38,000円〜創業160年の純和風旅館
6西村屋ホテル招月庭城崎塩化物泉30,000円〜5万坪の庭園・森林露天
7小林屋城崎塩化物泉15,000円〜温泉街中心・外湯至近
8ときわ別館城崎塩化物泉22,000円〜全室庭園付き離れ風
9浜千鳥の湯 海舟白浜炭酸水素塩泉25,000円〜混浴露天から太平洋一望
10白良荘グランドホテル白浜塩化物泉20,000円〜白良浜ビーチ目の前
11崎の湯 旅館むさし白浜塩化物泉16,000円〜波打ち際の露天風呂
12ホテル川久白浜炭酸水素塩泉35,000円〜王宮のような建築美
13天橋立離宮 星音天橋立塩化物泉40,000円〜全室露天付き・日本三景
14文珠荘天橋立塩化物泉22,000円〜運河沿いの老舗旅館
15おごと温泉 びわ湖花街道おごと単純泉20,000円〜琵琶湖ビュー・美肌の湯
16洞川温泉 あたらしや洞川単純泉14,000円〜修験道の里の老舗宿
17洞川温泉 花屋徳兵衛洞川単純泉16,000円〜大峯山を望む渓谷の宿
18十津川温泉 ホテル昴十津川炭酸水素塩泉13,000円〜源泉かけ流し宣言の村
19湯の峰温泉 あづまや湯の峰炭酸水素塩泉18,000円〜世界遺産の温泉・つぼ湯
20龍神温泉 上御殿龍神炭酸水素塩泉15,000円〜日本三美人の湯

有馬温泉エリア(兵庫県)おすすめ4選

日本三古湯にして日本三名泉。赤褐色の「金泉」と無色透明の「銀泉」という2種類の源泉を持つ、世界的にも珍しい温泉地です。大阪から約50分、神戸三宮から約25分と都市近接型で、週末のプチ旅行に最適。有馬温泉をさらに詳しく知りたい方は「有馬温泉おすすめ旅館12選」もご覧ください。

1. 兵衛向陽閣(ひょうえ こうようかく)

創業700年超の有馬を代表する老舗旅館。一の湯・二の湯・三の湯と趣の異なる3つの大浴場すべてに自家源泉の金泉を引いています。赤褐色のお湯に手を沈めると指先が見えなくなるほどの濃厚さで、塩分濃度の高さから入浴後は驚くほど身体が冷めにくいのを実感できます。

夕食は神戸牛や明石鯛など兵庫五国の食材を使った会席料理。お部屋タイプも和室・和洋室・露天風呂付きと豊富で、予算に合わせて選べます。関西の温泉旅館選びに迷ったら、まず候補に入れたい名宿です。

料金目安:1泊2食 22,000円〜/アクセス:有馬温泉駅より送迎バス5分

2. 中の坊 瑞苑(なかのぼう ずいえん)

13歳未満の宿泊を受け付けない「大人のための宿」。金泉・銀泉の両方を自家源泉で持ち、銀泉の炭酸泉は肌にきめ細かな泡が付着する上質なもの。金泉との交互浴では、保温と血行促進の相乗効果を体感できます。ロビーラウンジのドリンクやスイーツが無料のオールインクルーシブスタイルも嬉しいポイントです。

静かに贅沢に有馬の湯を堪能したい大人旅に最適の一軒です。

料金目安:1泊2食 45,000円〜/アクセス:有馬温泉駅より徒歩3分

3. 銀水荘 兆楽(ぎんすいそう ちょうらく)

敷地内から金泉・銀泉の両方が湧出する、有馬でも数少ない「自家両泉」の宿。露天風呂「櫟の湯(くぬぎのゆ)」は自然林に囲まれた野趣あふれる造りで、春は新緑、秋は紅葉と四季折々の景色に癒されます。落ち着いた和の佇まいを大切にしている宿で、有馬の湯を余すことなく堪能できます。

料金目安:1泊2食 28,000円〜/アクセス:有馬温泉駅より送迎バス5分

4. 古泉閣(こせんかく)

六甲山の中腹、約6万坪の広大な敷地を持つ老舗旅館。敷地内から金泉・銀泉の2本の自家源泉が湧き、岩風呂では源泉かけ流しの金泉に浸かれます。フレンチレストラン「ル・グラン」での地産地消コースも好評で、和食以外の選択肢があるのもユニーク。1泊2食18,000円台からと、有馬で両泉をリーズナブルに楽しめる貴重な宿です。

料金目安:1泊2食 18,000円〜/アクセス:有馬温泉駅より送迎バス5分

城崎温泉エリア(兵庫県)おすすめ4選

大谿川(おおたにがわ)沿いに柳並木が続く風情ある温泉街。7つの外湯を浴衣姿で巡る「外湯めぐり」は城崎温泉ならではの楽しみ方です。冬は松葉ガニの本場として全国から食通が集まります。城崎温泉の詳しいガイドは「城崎温泉おすすめ旅館15選」をご覧ください。

5. 西村屋本館(にしむらや ほんかん)

創業160年、城崎温泉を代表する純和風旅館。数寄屋造りの客室と手入れの行き届いた庭園は、国登録有形文化財にも指定されています。冬の松葉ガニ会席は量・質ともに圧巻で、活ガニの刺身、焼きガニ、カニすきと一匹丸ごとのフルコースが味わえます。

館内大浴場に加え、宿泊者は7つの外湯にすべて無料で入れるため、城崎の醍醐味を存分に楽しめます。「関西で一度は泊まりたい旅館」の上位に常にランクインする名宿です。

料金目安:1泊2食 38,000円〜(カニシーズンは50,000円〜)/アクセス:城崎温泉駅より徒歩15分または送迎あり

6. 西村屋ホテル招月庭(しょうげつてい)

西村屋が手がけるリゾートスタイルの姉妹館。5万坪の森林庭園に囲まれた「森のプライベートスパ」では、木々の間から射し込む光を浴びながら露天風呂に浸かれます。本館の伝統的な和の趣とは一味違い、開放的なリゾート感を味わいたい方に人気です。

ダイニングではライブキッチンスタイルで但馬牛ステーキやカニ料理を楽しめます。カップルや友人同士のリゾート旅にぴったりの一軒です。

料金目安:1泊2食 30,000円〜/アクセス:城崎温泉駅より送迎バス5分

7. 小林屋(こばやしや)

温泉街の中心部に位置し、7つの外湯のうち5つが徒歩3分圏内という抜群の立地。1泊2食15,000円台からと城崎エリアでは良心的な価格ながら、但馬牛や松葉ガニ(冬季)を使った料理は本格的です。

客室数が少なくアットホームな雰囲気で、「外湯めぐりを中心に城崎を楽しみたい」というアクティブ派に最適。浴衣の貸し出しも豊富で、城崎らしい温泉街歩きを満喫できます。

料金目安:1泊2食 15,000円〜/アクセス:城崎温泉駅より徒歩8分

8. ときわ別館

温泉街の喧騒から少し離れた静かな立地に佇む、全室庭園付きの離れ風旅館。大谿川沿いの賑わいとは対照的に、緑に囲まれた和の空間でゆったりとした時間を過ごせます。客室の窓からは四季折々の庭園風景が楽しめ、秋の紅葉シーズンは特に見事です。

料理は地元の海の幸・山の幸を活かした月替わり懐石。城崎で「静かに過ごしたい」大人の旅にふさわしい宿です。

料金目安:1泊2食 22,000円〜/アクセス:城崎温泉駅より徒歩15分

南紀白浜温泉エリア(和歌山県)おすすめ4選

有馬温泉とともに日本三古湯に数えられる歴史ある温泉地。「万葉集」にも「牟婁の温湯(むろのゆ)」として詠まれた名湯です。白砂のビーチ「白良浜」と太平洋の絶景を楽しめるリゾート感が魅力で、関西からの家族旅行先として不動の人気を誇ります。泉質は炭酸水素塩泉が中心で、肌をなめらかに整える美肌効果が期待できます。

9. 浜千鳥の湯 海舟(かいしゅう)

白浜の海岸線に建つリゾート旅館。崖の上に設けられた混浴露天風呂「浜千鳥の湯」からは、太平洋の大パノラマが広がります。湯船に浸かりながら眺める水平線は、関西の温泉宿のなかでもトップクラスの絶景です。

客室は全室オーシャンビューで、離れタイプの客室には専用露天風呂も完備。夕食は紀州の海の幸をふんだんに使った会席料理で、特にクエ鍋(冬季)は白浜ならではの贅沢です。

料金目安:1泊2食 25,000円〜/アクセス:白浜駅より送迎バス10分

10. 白良荘グランドホテル

白良浜ビーチの目の前に建つ好立地のホテル。客室やロビーから見える白砂と青い海のコントラストは圧巻です。大浴場の露天風呂では波の音をBGMに、とろりとした炭酸水素塩泉を堪能できます。

ファミリー向けのプランが充実しており、夏は海水浴と温泉を一日で楽しめる立地の良さが最大の武器。アドベンチャーワールドへのアクセスも良く、子ども連れの関西温泉旅行の定番宿です。

料金目安:1泊2食 20,000円〜/アクセス:白浜駅よりバス15分

11. 崎の湯 旅館むさし

白浜温泉の源泉「崎の湯」に隣接する旅館。自家源泉を持ち、波打ち際の露天風呂では太平洋の潮風を感じながら入浴できます。目の前に広がる海と温泉が一体化したような開放感は、白浜ならではの体験です。

1泊2食16,000円台からとリーズナブルで、紀州の海鮮料理もボリューム満点。「温泉と海の近さ」を最優先にしたい方におすすめの宿です。

料金目安:1泊2食 16,000円〜/アクセス:白浜駅よりバス15分

12. ホテル川久

ヨーロッパの王宮を思わせる壮麗な外観が特徴的なラグジュアリーホテル。エントランスを入ると吹き抜けロビーに巨大なシャンデリアが輝き、非日常の世界に引き込まれます。客室はすべてスイートクラスの広さで、バトラーサービスも提供されます。

温泉は自家源泉の炭酸水素塩泉で、大浴場のローマ風の装飾も見事。夕食は王様のビュッフェと題した豪華バイキングが名物で、伊勢海老やローストビーフなどが並びます。「いつもと違う特別な温泉旅」を叶えてくれる関西屈指のホテルです。

料金目安:1泊2食 35,000円〜/アクセス:白浜駅より送迎バス10分

京都・滋賀の温泉エリア おすすめ3選

京都府北部の天橋立エリアと、滋賀県のおごと温泉は、観光と温泉をセットで楽しめる関西の穴場エリアです。日本三景・天橋立の絶景や琵琶湖の水辺の風情と温泉を組み合わせた旅は、他のエリアにはない独自の魅力があります。

13. 天橋立離宮 星音(ほしのね)

天橋立を見下ろす高台に建つ全室露天風呂付きの離宮宿。客室の露天風呂から眺める天橋立と日本海の景色は、関西の温泉宿のなかでも格別のロケーションです。全11室の小規模な宿ならではの行き届いたおもてなしが光ります。

夕食は丹後の海の幸を中心とした創作懐石で、冬の間人ガニ(たいざがに)は幻のカニとして知られるブランド食材。プライベート感を重視する記念日旅行に最適です。

料金目安:1泊2食 40,000円〜/アクセス:天橋立駅より送迎10分

14. 文珠荘(もんじゅそう)

天橋立の運河沿いに佇む老舗旅館。客室から眺める運河と天橋立の松並木は、まるで一幅の日本画のよう。館内の大浴場では天橋立温泉のナトリウム塩化物泉に浸かれます。

知恩寺や天橋立ビューランドへのアクセスも良く、観光の拠点として便利な立地です。料理は日本海で揚がる新鮮な魚介が中心で、ぶりしゃぶやのどぐろの塩焼きなど丹後ならではの味覚を楽しめます。

料金目安:1泊2食 22,000円〜/アクセス:天橋立駅より徒歩5分

15. おごと温泉 びわ湖花街道

琵琶湖の西岸に位置するおごと温泉を代表する旅館。露天風呂からは琵琶湖を一望でき、とくに夕暮れ時、湖面がオレンジ色に染まる景色は息をのむ美しさです。泉質は肌にやさしいアルカリ性単純泉で、「美肌の湯」として知られています。

京都市内から電車でわずか20分という好アクセスで、京都観光のあとに温泉旅館で締めくくるプランが人気。近江牛や琵琶湖の湖魚を使った料理も魅力です。

料金目安:1泊2食 20,000円〜/アクセス:おごと温泉駅より送迎3分

奈良・秘湯エリア(洞川・十津川・湯の峰・龍神)おすすめ5選

関西の秘湯を求めるなら、奈良県南部から和歌山県山間部のエリアが見逃せません。修験道の聖地・洞川温泉、日本初の「源泉かけ流し宣言」をした十津川温泉、世界遺産に登録された湯の峰温泉、そして日本三美人の湯・龍神温泉。いずれもアクセスに時間がかかる分、手つかずの自然と濃厚な温泉体験が待っています。全国の温泉地ランキングでも秘湯枠として高評価を得ているエリアです。

16. 洞川温泉 あたらしや

大峯山への修験道の拠点として栄えた洞川温泉。あたらしやは温泉街のメインストリートに面した創業300年以上の老舗旅館です。提灯が灯る夜の温泉街は昭和レトロな風情にあふれ、都会の喧騒を忘れさせてくれます。

泉質は無色透明のアルカリ性単純泉で、肌にしっとりとなじむやわらかさが特徴。夏でもひんやりとした標高820mの冷涼な気候で、関西の避暑地としても根強い人気があります。名水「ごろごろ水」を使った豆腐料理は必食です。

料金目安:1泊2食 14,000円〜/アクセス:下市口駅よりバス約80分

17. 洞川温泉 花屋徳兵衛(はなや とくべえ)

大峯山を望む渓谷に面した温泉旅館。露天風呂からは緑深い渓谷美が広がり、清流のせせらぎが心地よいBGMになります。冬は一面の雪景色に包まれ、雪見露天風呂という贅沢な体験も。

客室は和室を中心に落ち着いた造りで、窓辺から眺める山の稜線が美しい。夕食は猪肉や鹿肉などのジビエ料理も楽しめ、山里ならではの滋味深い味覚を堪能できます。

料金目安:1泊2食 16,000円〜/アクセス:下市口駅よりバス約80分

18. 十津川温泉 ホテル昴(すばる)

日本一広い村として知られる十津川村にある温泉ホテル。十津川村は2004年に全国初の「源泉かけ流し宣言」を行い、村内すべての温泉施設で加水・加温・循環なしの100%源泉かけ流しを実現しています。

ホテル昴の露天風呂では、ナトリウム炭酸水素塩泉のとろりとした湯が惜しみなくかけ流されています。山深い渓谷に囲まれたロケーションは関西とは思えないほどの秘境感。世界遺産・熊野古道の小辺路ハイキングの拠点としても最適です。

料金目安:1泊2食 13,000円〜/アクセス:五条駅よりバス約3時間

19. 湯の峰温泉 あづまや

開湯1,800年以上と伝わる日本最古級の温泉地・湯の峰温泉。世界遺産「紀伊山地の霊場と参詣道」の構成資産として、温泉地で唯一ユネスコ世界遺産に登録されている「つぼ湯」がある特別な場所です。

あづまやは明治初期創業の老舗旅館で、建物は登録有形文化財。自家源泉から湧く炭酸水素塩泉は92℃の高温泉で、湯船に注がれるお湯は硫黄の香りがほのかに漂います。客室からは湯の谷川のせせらぎが聞こえ、まさに温泉と暮らすような滞在が叶います。

料金目安:1泊2食 18,000円〜/アクセス:紀伊田辺駅よりバス約90分

20. 龍神温泉 上御殿(かみごてん)

和歌山県の山間部、日高川の渓谷沿いに湧く龍神温泉は「日本三美人の湯」のひとつ。炭酸水素塩泉のなめらかなお湯が肌の古い角質をやさしく落とし、入浴後はすべすべの肌を実感できます。

上御殿は江戸時代に紀州藩主・徳川頼宣が建てた「上御殿」「下御殿」のうち上御殿を引き継ぐ歴史ある旅館。殿様が入ったとされる湯殿も現存しています。渓流を望む露天風呂で美人の湯にゆっくり浸かれば、肌も心もつるつるに。関西の温泉通にこそ訪れてほしい名湯です。

料金目安:1泊2食 15,000円〜/アクセス:紀伊田辺駅よりバス約80分

予算・目的別おすすめ早見表

旅の予算やシーンに合わせて宿を選べるよう、目的別に整理しました。

予算別おすすめ

予算おすすめ宿エリア
〜15,000円ホテル昴(13,000円〜)、あたらしや(14,000円〜)、小林屋(15,000円〜)、上御殿(15,000円〜)十津川・洞川・城崎・龍神
15,000〜25,000円旅館むさし、花屋徳兵衛、古泉閣、白良荘GH、びわ湖花街道、あづまや、兵衛向陽閣、ときわ別館、文珠荘白浜・洞川・有馬・おごと・湯の峰・城崎・天橋立
25,000〜40,000円海舟、銀水荘 兆楽、招月庭、ホテル川久、西村屋本館白浜・有馬・城崎
40,000円〜中の坊 瑞苑、天橋立離宮 星音有馬・天橋立

目的別おすすめ

目的おすすめ宿理由
カップル・記念日中の坊 瑞苑、星音、ホテル川久大人限定or全室露天付きの特別感
ファミリー白良荘GH、兵衛向陽閣、招月庭子ども向けプランやプール充実
ひとり旅小林屋、あたらしや、ホテル昴おひとりさまプランあり・コスパ◎
秘湯めぐりホテル昴、あづまや、上御殿源泉かけ流し・世界遺産・三美人の湯
グルメ重視西村屋本館、海舟、花屋徳兵衛松葉ガニ・クエ・ジビエなど名物料理
美肌の湯上御殿、びわ湖花街道、あづまや三美人の湯・アルカリ性泉・炭酸水素塩泉

関西温泉のベストシーズンと楽しみ方

関西の温泉は一年を通じて楽しめますが、エリアごとにベストシーズンがあります。旅のタイミング選びの参考にしてください。

季節おすすめエリア楽しみ方
春(3〜5月)有馬・天橋立・龍神桜×露天風呂、新緑ハイキング
夏(6〜8月)洞川・白浜・城崎洞川の避暑(標高820m)、白良浜の海水浴、城崎の夏祭り
秋(9〜11月)有馬・洞川・十津川紅葉×温泉、熊野古道トレッキング
冬(12〜2月)城崎・白浜・天橋立松葉ガニ・クエ鍋・間人ガニの味覚旅、雪見露天

知っておくと便利な旅のコツ

  • 平日泊がお得:多くの旅館で金〜日曜と比べて2,000〜5,000円安くなるケースが多い
  • 直前予約を狙う:2週間〜3日前にお得なプランが出やすい。特に平日の空室は割引率が高い
  • 早割プランもチェック:60日前・90日前の早割で10〜15%オフになる宿も多い
  • 連泊割引:秘湯エリア(十津川・洞川)は連泊すると割安になるプランが充実

宿泊施設運営者向け|関西温泉の集客ポイント

本記事は旅行者向けのガイドですが、関西の温泉旅館を運営する施設オーナーやマネージャーの皆さまに向けて、集客やブランディングのポイントも整理します。

エリア連携型プロモーション

関西は温泉地の密度が高く、「有馬+城崎 2泊周遊」「白浜+熊野古道+龍神 3泊ルート」など、エリア連携のモデルコースを訴求すると滞在日数の増加につながります。周辺施設との相互送客やクーポン連携は比較的取り組みやすい施策です。

インバウンド対応の強化

関西国際空港を玄関口として、大阪・京都を訪れる外国人観光客の「+温泉」ニーズは拡大中。多言語サイトやOTA掲載情報の充実、キャッシュレス対応が予約率向上のカギです。特に有馬温泉や城崎温泉では、インバウンド比率が前年比で大きく伸びています。

口コミ・レビュー管理

OTAの口コミスコアは宿の予約率に直結します。ゲスト滞在中のサービス改善と、チェックアウト後のレビュー獲得施策を組み合わせることで、着実にスコアアップを目指せます。関西は温泉地間の競争が激しいため、レビュー戦略の差が売上に表れやすいエリアです。

季節商品の強化

城崎の松葉ガニ、白浜のクエなど、冬の名物食材は強力な集客ドライバーです。春〜秋の閑散期には、アクティビティ連携(SUP体験、トレッキング、農業体験など)や女性向け美容プラン(美肌の湯×エステ)で新たな宿泊動機を創出しましょう。

まとめ

関西は日本でも屈指の温泉エリアです。都市部からのアクセスが良い有馬温泉、外湯めぐりと冬のカニが魅力の城崎温泉、太平洋のリゾート感が楽しめる白浜温泉、そして知る人ぞ知る秘湯——洞川・十津川・湯の峰・龍神。目的や予算に合わせて、多彩な温泉旅を楽しめるのが関西の強みです。

  • 都市近接で気軽に:有馬温泉(古泉閣・兵衛向陽閣)、おごと温泉(びわ湖花街道)
  • 温泉街の風情を楽しむ:城崎温泉(西村屋本館・小林屋)、洞川温泉(あたらしや)
  • 海と絶景のリゾート:白浜温泉(海舟・ホテル川久)、天橋立(星音)
  • 本物の源泉を求めて:十津川温泉(ホテル昴)、湯の峰温泉(あづまや)、龍神温泉(上御殿)
  • コスパ重視:ホテル昴(13,000円〜)、あたらしや(14,000円〜)、小林屋(15,000円〜)

どの温泉地も、実際に足を運べばガイドブックでは伝わらない湯の香り・肌ざわり・風景に出会えます。ぜひこの記事を参考に、関西の温泉旅館で心も体もリフレッシュする旅を計画してみてください。